汗ばむ陽気の中、市内外から多数の参加をいただき、第74回牧水祭を開催しました。
群馬県みなかみ町牧水会など牧水顕彰団体にもお越しいただきました。
牧水祭は昭和26年から毎年開催し、郷土の歌人若山牧水の遺徳を偲んでいます。
【第1部 歌碑祭】
牧水・喜志子夫婦歌碑前を会場に歌碑祭を行いました。
初めに、地元の岩下富男さんが牧水短歌
「ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきてをり」
「幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく」
を朗詠されました。
次に巫女姿の東郷学園9年生が夫婦歌碑に献酒を行い、続いて主催者、若山家親族、来賓の方々が牧水の愛した酒を歌碑に注ぎました。
岩下富男さんによる牧水短歌朗詠
東郷学園9年生による献酒 若山家親族による献酒
【第2部 牧水を偲ぶ会】
会場を牧水公園ふるさとの家に移し、牧水を偲ぶ会を行いました。
初めに、牧水の母校坪谷小学校児童が短歌朗詠を交えた牧水の歌斉唱を披露しました。
坪谷小学校児童による牧水の歌斉唱
続いて若山牧水記念文学館の伊藤一彦館長、塔短歌会主宰の吉川宏志さんによる対談が行われました。演題は『牧水と私たち』~迢空賞受賞者が語る牧水~です。
東郷町で生まれ、3歳まで過ごした吉川さんは、幼少期の思い出や当時聞いた牧水評を語られました。
続いて伊藤館長の近著『若山牧水の百首』から互いに選んだ歌の鑑賞を述べられました。
「二階の時計したの時計がたがへゆく針の歩みを合はせむと父」
について、伊藤館長は「家の中での居場所を探す父を思う歌。父も坪谷を離れたかった人ではなかったか。だから東京で文学を続ける息子の気持ちが分かる」と牧水と父との関係性を解説しました。
伊藤一彦館長 吉川宏志さん
対談終了後、牧水の愛した田舎料理を囲んで懇親会がありました。
恒例となった若山牧水延岡顕彰会相談役の塩月眞さんによる朗詠が披露されるなど、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。
塩月眞さん
100名を超える参加者を迎え、若山牧水を偲ぶ74回目の牧水祭を無事終えることができました。
参加されたみな様、協力くださったみな様に感謝申し上げます。