長野県南牧村

建立日:平成6年6月
野末なる山に雪見ゆ冬枯れの荒野を越ゆとうち出でて来れば

大空の深きもなかに聳えたる峰のたかきに雪降りにけり

人いまだゆかぬ枯野の今朝の霜を踏みてわがゆくひたに真直ぐに

わが行くや見る限りなる霜の野の薄枯れ伏し真しろき野邊を

はりはりとわが踏み裂くやうちわたす枯野がなかの路の氷を

枯れて立つ野邊のすすきに結べるは氷にまがふあららけき霜

わが袖の触れつつ落つる路ばたの薄の霜は音立てにけり